<会津電力>太陽光50カ所目 総出力4275kw

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福島県会津地方で太陽光発電事業を展開する会津電力(喜多方市)の高郷太陽光発電所が、喜多方市高郷町に完成した。東京電力福島第1原発事故を教訓に会社が設立されて3年。市民レベルの再生可能エネルギー開発を目指す小規模分散型の太陽光発電所は子会社分を含め、今回で50カ所目となる。
新発電所は市有地2万8000平方メートルを借り、太陽光パネル約1700枚を設置した。出力は348キロワットで一般家庭約100世帯分に相当。発電した電力は全て東北電力に売却する。9日の竣工(しゅんこう)式には山口信也市長らが出席する。
会津電力の太陽光発電所は、会津地方11市町村の空き地や建物屋根などに整備してきた。出力50キロワット程度の小規模施設が大半で、災害時のリスクが分散、軽減されるようにしている。
50カ所の総出力は4275キロワットとなり、1000キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)4基分に到達。年間発電量は一般家庭約1300世帯分に相当する計412万キロワット時を見込む。
今後は県内の中通り地方での設置も計画。県外では100%子会社のアイパワー(喜多方市)が青森、秋田両県沿岸部での小型風力発電施設の設置に向け、事業用地を募集している。小水力発電の調査や木質バイオマスを利用したエネルギー事業の実験も進める。
会津電力は2013年8月に設立。資本金7600万円で、地元自治体の7町村や企業など約70団体・個人が出資する。社長は大和川酒造店(喜多方市)の佐藤弥右衛門会長が務める。
会津電力発電事業部の小林恵子さんは「原子力や化石燃料による発電から再生可能エネルギーに替えるため、1カ所でも多く発電所を増やしたい。地元で資金が循環し、雇用が生まれ、地域が自立できるようになることを目指す」と話す。