米Alphabet傘下のGoogleは2016年12月6日(現地時間)、2017年に同社が世界で消費している電力を100%再生可能エネルギーで賄える見込みだと発表した。これはデータセンターで使用する電力だけでなく、オフィス施設なども含む。同社が掲げていた2025年という目標を大幅に前倒して達成することになる。
Googleが再生可能エネルギーへの投資を開始したのは2010年。米NextEra Energyが所有するアイオワ州の風力発電所から114MW(メガワット)の発電量すべてを20年間購入する契約を結んだのが最初の例だ。以降も投資を拡大し、現時点では合計20の再生可能エネルギープロジェクトに関わっているという。
同社は現時点で「再生可能エネルギーの世界最大の企業バイヤー」としており、購入している電力量は合計で2.6GW(ギガワット)におよぶ。AppleやAmazonなど、米国の大手IT企業は中心に再生可能エネルギーの利用を進めているが、Googleの2.6GWはこうした他社を大きく上回っている購入量だ(図1)。
図1 各社の再生可能エネルギーの利用状況 出典:Bloomberg New Energy Financeの情報をもとにGoogleが作成
Googleが購入している再生可能エネルギーの大半は風力発電によるものである。続いて太陽光発電だ。同社はこうした再生可能エネルギーを利用するメリットについて、過去6年間で風力発電は60%、太陽光発電は80%コストが下がっている点について言及。同社の電力消費の大半を占めるのはデータセンターであり、その運用を行う上でコストが下がりつつある再生可能エネルギーを長期的に調達していくことにはメリットがあるとしている。
同社ではデータセンターや重要業務を行う地域を中心に、今後もさらに再生可能エネルギーへの投資を拡大していく方針だ。また、同社が多く購入している風力発電は、風況に左右され、常に一定の発電量が確保できるわけではない。そこで、同社ではその他の再生可能エネルギーの購入も進めていくとしている。