人口1500人の村で小水力発電

環境省は3月29日、同省の取り組みの一つである「地域低炭素投資促進ファンド事業」で、執行団体である一般社団法人グリーンファイナンス推進機構(東京都港区)が、岡山県英田郡西粟倉村が計画する小水力発電事業に、9000万円出資することを公表した。

なお、西粟倉村は地域資源を最大限に活用し低炭素化と持続的発展を両立する地域モデルの実現を先導する「環境モデル都市」の一つとして国からの選定を受けており、このプロジェクトはその一環として実施されるもの。

地域資源を活かした事業収益を、地域活性化の財源に
同プロジェクトは、地方自治体の西粟倉村がメインスポンサーとなり、特別目的会社(SPC)「あわくら水力発電所株式会社」を設立(出資金1億円)。村を縦断する吉野川の豊富な水資源を活用して、既存の村営小水力発電所の上流域において新たに民間型の小水力発電事業を行うもの。

同プロジェクトの実施により、既存の村営水力発電所と合わせて、同村内の全消費電力の4割強が水力発電で賄われる見込みだ。

同村は50年以上にわたる水力発電所の運営・管理経験と発電設備リプレイスの知見を保有している。そこで今回のプロジェクトではこれらを活用し、設計・施工業者の選定、建設中の工程管理、稼働後の運営・管理を村が主体となって行う。さらに運営・管理業務の一部は地元雇用により実施する。融資は地域金融機関からの調達を予定している。