米アマゾン・ドット・コムが、日本のデータセンター向けに再生可能エネルギーの調達を目的とした発電所の新設を検討していることが分かった。商社や電力会社と協議しており実現すれば国内初の同社専用発電所となる。データセンターは電力消費が多く脱炭素が課題だ。日本は再生エネ電源の整備で出遅れたが、大量のエネルギーを使う巨大IT(情報技術)企業の取り組みが普及を後押しする。
複数の関係者によると、アマゾンは日本の電力会社などに専用の再生エネ発電所を建設してもらい、長期契約で電力を調達できないか協議している。
ある国内大手商社は政府が2020年11月に公募を始めた秋田県沖などの洋上風力発電プロジェクトに応募する方針で、選定されればアマゾン向けに電力を供給することを検討している。
同プロジェクトの最大発電能力は数十万キロワット。大型データセンターは1カ所で原子力発電所0.1基分の10万キロワットの電力を消費するとされる。アマゾンは日本で7カ所にデータセンターを持ち、いくつかの拠点で今回の案件を含めた再生エネルギーを活用するもようだ。太陽光発電所の建設も大手を含めた電力会社などに持ちかけている。
アマゾンは既設の再生エネ発電所から電力を購入するのではなく、同社向けに新設された発電所と契約することを目指している。再生エネを使うだけでなく電源を増やすことが脱炭素につながるとみているからだ。アマゾンと再生エネ事業者との建設運営費の負担は案件ごとに今後詰める。