アップル、「サプライチェーンまで 100%再エネ」、2030年までに実現

米アップルは7月21日、2030年までに同社のサプライチェーン、製品ライフサイクルまで包括して「カーボンニュートラル」を実現すると宣言した。

「カーボンニュートラル」とは、事業活動における二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を相殺(差し引きゼロ)することを指す。実現に向けた手段は、再生可能エネルギー発電電力の活用と、エネルギー使用量の削減が主となる。事業活動に必要な電力すべてを再エネで賄うことが望ましいが、現実的には証書の購入といった取引を含めた手段で相殺される。

アップルは2018年4月に、自社グループの全世界における拠点で、事業活動に関して「100%再エネ」を実現したと発表していた(関連ニュース)。これによって、自社グループではカーボンニュートラルを達成している。

今回の宣言は、調達先の部材・部品メーカーを巻き込み、その範囲をもっと広げたものだ。同社の製品製造や販売・サービスに関するサプライチェーン、製品ライフサイクルを通じて実現するとした。今後、サプライヤーに対し、再エネ利用や脱炭素型製造プロセスへの転換を要請する圧力が強まっていくことが予想される。

アップルは、オバマ政権で環境保護庁長官を務めたリサ・ジャクソン副社長を迎えて以降、自社のブランド力や影響力を生かし、再エネ活用や地球環境の悪化抑制策を自社だけにとどまらずサプライチェーン全体に広げる施策を進めており、先鋭的な存在となっている。