伊藤忠、太陽光発電の余剰電力を販売 一般消費者に

伊藤忠商事は自家消費で余った太陽光発電の電力を一般消費者に供給する事業を始める。自家消費用の太陽光発電は、電力を使いきれないと考える施設や店舗が多く普及が足踏みしていた。余剰電力を融通する仕組みをつくり、設備の設置を後押しする。

伊藤忠やJパワーなどが出資するVPPジャパン(東京・千代田)が、物流施設や店舗に太陽光発電の設備を設置する。伊藤忠系の新電力アイ・グリッド・ソリューションズ(東京・千代田)が開発したシステムで、設備を設置した側の電力の需給状況を把握し、発電量が消費量を上回るとその余剰分を送配電網に送る。同社は再生可能エネルギー由来の電力として消費者に販売する。

伊藤忠の子会社で食品卸大手の日本アクセスは、全国に約330カ所ある物流施設などの拠点を対象に新事業の利用を検討するという。

VPPジャパンは以前から、企業の所有する建物に自家消費用の太陽光発電の設備を設置する事業を手がけてきた。初期費用がかからず設置できるメリットをアピールしてきたが、電力の消費量が多い冷蔵設備を備える建物などに利用が限られていた。伊藤忠の始める新事業と組み合わせることで、今後は幅広い施設や店舗の利用を見込む。