伊藤忠商事、南アフリカでアフリカ最大級の 太陽光発電事業に着工、国営電力と契約

伊藤忠商事が37.5%出資する太陽光発電開発のスカテック・ソーラー(ノルウェー)は、南アフリカでアフリカ最大級となる太陽光発電事業に着工した。同国政府から優先契約交渉権を獲得した115MW(11万5000kW)に関して、国営電力のエスコムと5月9日付で20年間の売電契約を結んだ。発電所は2014年末ごろの稼働開始を目指す。

この太陽光発電事業は、160haの敷地に約46万枚の太陽電池パネルを設置する。年間で約5万3000世帯の年間消費電力量に相当する22万5000MWh(2億2500万kWh)以上の発電電力量を予想し、年間19万tのCO2排出削減効果を見込んでいる。再生可能エネルギーで発電された電力をエスコムを通じて買い取る同国の制度に基づいて推進する。

南アフリカ政府は将来、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーで電力需要の約2割を賄う目標を設定している。スカテック・ソーラーは同国でほかに75MW(7万5000kW)の太陽光発電事業の開発を進めている。今回と合わせると190MW(19万kW)に拡大し、太陽光発電システムの一括請負事業者としての存在感が一層増すことになる。

スカテック・ソーラーは、電力需要が高まる新興国での太陽光発電の普及を狙う。南アフリカ以外のアフリカ諸国でも太陽光発電の開発を手掛け、中近東では現地のパートナーと事業を展開する。日本では伊藤忠の戦略の一環で大規模太陽光発電事業に協働で取り組み、各国での経験を生かして100MW(10万kW)を当面の目標に開発する。