中国の太陽電池素材メーカー、陽光能源(ソーラーギガ・エナジー)は10日、シャープ<6753>との提携関係を強化し、太陽電池モジュール供給量を拡大することで合意したと発表した。シャープは今年度において、370メガワット(MW)分を調達する方針。これにより陽光能源は、シャープにとって中国最大の太陽電池モジュール供給業者となる。
陽光能源の執行取締役である許祐淵氏は、欧米が中国製ソーラー製品への反ダンピング(不当廉売)課税を決める中、原子力発電所事故で太陽光発電が注目を集めている日本こそ、中国企業にとっての「要所」だと指摘。日本に照準を合わせた攻めの姿勢を強く打ち出した。
中国の太陽電池関連業界は、生産能力の過剰や欧州との貿易摩擦で厳しい経営を迫られている。今年に入ってからは、太陽電池最大手の尚徳太陽能電力(サンテックパワー)の破産が決まり、業界に衝撃が走った。各社が業績回復に向けた有望市場として日本に目を向けており、例えば、パネル大手の将晶澳太陽能(JAソーラー)は今年の日本向け出荷量を倍増させる計画を示している。
なお、陽光能源は遼寧省を拠点に、太陽電池の材料となる単結晶シリコンインゴットなどの製造を手掛ける。2012年のモジュール出荷量では、中国の英利緑色能源(インリーグリーンエナジー)、米ファーストソーラーに次ぐ世界3位の規模。2008年から香港市場に上場している