「次世代型」と期待される「色素増感太陽電池」の実証実験が、松江市内で始まっている。印刷技術を活用。安価で、カラフルなデザインが特徴だ。
色素増感太陽電池は、光合成に似た仕組み。色素で光エネルギーを吸収し、電力に変換する。
シリコンを使う太陽電池に発電効率では及ばないが、曇りや室内光でも発電しやすく、地面に垂直に設置しても性能を発揮する。
県産業技術センターと、タッチパネル大手の日本写真印刷(京都市)が2008年から進める共同研究の一環で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業。15年7月まで発電効率や耐久性を確かめ、実用化につなげる。
センターは03年から、色素などの材料開発や基礎技術の研究を進めてきた。
実証実験では、太陽電池(縦48センチ、横60センチ)をはめ込んだ広告掲示板(高さ2メートル、幅約90センチ、厚さ約10センチ)6基を、くにびきメッセと県産業技術センターに設置した。
蓄えた電力で、夜間にLEDライト(3・6ワット)でポスターを照らし出す。点灯時間は5時間程度。「将来は電子看板にも応用したい」という。
日本写真印刷は、京都市でも、太陽電池とLEDを組み合わせたソーラーランタンの実証実験に取り組んでいる。