これまでの太陽電池よりも太陽光を良く吸収し、効率の良い発電ができる太陽電池の材料が開発された。国立大学法人筑波大学の数理物質系 桑原純平講師と神原貴樹教授と独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS) 太陽光発電材料ユニット 安田剛主任研究員の研究グループが、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の若手研究グラント事業の支援を受け、開発に成功した。
太陽電池の材料には、InGaAs、GaAs、CISといった化合物系や有機物系などがある。低コストという点では、有機系材料が最も有望である。高速輪転機印刷が可能である上、軽量のために施工費が安価になるからだ。しかし、他の材料と比べ光電変換効率(照射された太陽光エネルギーから取り出せる電気エネルギーの割合)が良くなく、寿命が短いという課題があった。今回、同グループは、有機材料の高純度な高分子材料を簡単に精製する方法を開発。高純度の達成により、有機薄膜太陽電池の光電変換効率がこれまでの0.5%から4%と8倍も向上したうえ、長寿命化にもつながる。この成果により、高品質な太陽電池材料が低コストに製造可能となる。