太陽光発電を2020年度に6倍へ、関西の11自治体が合同でエネルギープラン

電力に関して地域特有の事情を抱える関西の自治体連合が2020年度に向けて「関西エネルギープラン」を策定した。7つの府県と4つの政令指定都市で構成する広域連合による計画で、2020年度までに太陽光発電を6倍に増やして、再生可能エネルギーの電力を600万kWまで引き上げる。
太陽光発電は11の自治体を合わせて2010~2012年度に75万kWだった規模を2020年度に6倍の450万kWまで拡大させる。このほかに風力・小水力・バイオマスも増やして、合計で600万kWを再生可能エネルギーで供給できるようにする。

太陽光による電力だけで130万世帯分に相当する規模になり、夏の電力需要がピークに達する時点でも最大16%をカバーできる見込みだ。太陽光以外の再生可能エネルギーは発電効率が高いことから、全体では200万世帯、ピーク時で20%を超える電力を供給できる体制になる。

地域ごとに特性を生かした再生可能エネルギーを拡大するために、農林水産業などと連携を図りながら、発電設備の導入支援、公共施設の土地や屋根の賃貸、といった施策を各自治体で推進していく。加えてエネルギー管理システムやコージェネレーションの導入支援のほか、関西の企業が得意とするバッテリーをはじめとしたエネルギー関連技術の開発促進策も実施する計画だ。

関西広域連合は自治体の枠を超えて地域の問題解決に取り組むために、2010年12月に設立された。直後の2011年3月に東日本大震災が発生して以降は、地域の節電対策を推進する一方で、国や関西電力に対して原子力発電所における安全対策の強化を訴えてきた。

こうした状況から、関西電力は夏と冬の電力需給状況を関西広域連合に定期的に報告している。関西広域連合が新たに策定したエネルギープランは自治体が主導できる対策に絞った形で、原子力発電に関しては言及していない。関西電力と関西広域連合は2012年 3 月に、「原子力発電所に係る情報連絡及びエネルギー対策の促進に関する覚書」を締結している。