大村湾に浮かぶ長崎空港は、1975年に開港した世界初の海上空港(図1)。元の位置にあった箕島という小島の土砂などを使い、箕島と本土の間に154万m2の用地を造成して作られた。
3000mの滑走路の脇には大村臨海工業用地などがさら地として残っており、未利用県有財産として問題視されていた。長崎県は2013年度から2015年度の3年間にわたり「ナガサキ・グリーンニューディール戦略プロジェクト」*1)を立ち上げ、このとき用地をメガソーラーとして活用することが決まった。
2013年11月、長崎県は県有地部分22haと長崎県土地開発公社の所有する13.1haを合わせ、「長崎空港隣接地(大村臨海工業用地他)メガソーラー設置運営事業」の企画提案を募集。2013年12月末に応募した7団体からチョープロとソーラーフロンティアが選ばれた。2014年3月31日には両社が県側と合意。用地を賃借し、発電所を立ち上げる。「2014年内に着工し、2015年秋の完成を予定している」(ソーラーフロンティア)。
太陽光発電所の規模は出力29.1MW(図2)。長崎県内では最も大きく、空港に併設する太陽光発電所としても最大だ。想定年間発電量は公開されていないものの、3000万kWh程度だと考えられる。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、全量を九州電力に売電する。