トマトなどを生産する農業生産法人のとまとランドいわき(福島県いわき市)は、地域に還元する太陽光発電事業を開始した。また、農業と太陽光発電事業を両立することができる追尾型のソーラーシェアリングも今年中に設置する予定だ。
地域に還元する太陽光発電事業は、農林水産省の「地域還元型再生可能エネルギー早期モデル確立事業」に採択されて実施するもの。本モデル事業として、同社が事業主体となり、所有地に太陽光発電システム558kWを設置し、売電収益の一部(売電収益見込額の約5%)を福島県いわき市磐城農業高校での実習用品や環境整備に充当することにより、後継者育成等に活用する。
太陽光発電システムは、フジプレアム(兵庫県姫路市)の製品を採用、この度設置が完了した。設置パネルはFC-225Y(225W×2,480枚)で、年間予想発電量は約64万2,000kWhを見込む。
さらに、今回太陽光発電システムを設置した場所に隣接する農地に、フジプレアムの追尾型「トラッキング太陽光発電システム」75基(412.5kW)を今年中に設置する予定。この追尾型システムは営農型太陽光発電システムで、営農を行っていなかった農地に設置し、いちじくの栽培を予定している。
農林水産省より公布された平成25年3月31日付「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備についての農地転用許可制度の取扱いについて」に基づいた一時転用許可制度の適用を受けた営農型太陽光発電システムは、農業と発電事業を両立するソーラーシェアリングを実現するシステムとして注目されている。
フジプレアムは、独自の精密貼合技術を基本とした研究開発型企業。2000年からは太陽電池モジュールの生産を開始し、産業用から一般住宅用まで幅広いモジュールを提供している。農業と太陽光発電のマッチングを1つのテーマとして、太陽の経路を自動算出、自動追尾するトラッキング太陽光発電システムをはじめとする太陽光発電事業を行っている。昨年には超軽量太陽電池モジュールを発売するなど、他社にはない独自技術を活かしたメーカーとして期待されている。