米マサチューセッツに本社を置く風力発電機メーカー、アルタエロス・エナジーズは2015年から、米国アラスカ・フェアバンクスの南で「浮遊空中タービン」(BAT)を上空300メートルまで浮かせ、発電する実証プロジェクトを始める。
そのイメージが上の写真だ(2012~13年にメイン州で撮影したもの)。実証プロジェクトが成功すれば、デンマークのヴェスタスの記録(上空220メートル)を抜き、世界で最も高いところに浮かぶ風力発電タービンとなる。BATが浮かぶのは、ヘリウムを充填した構造にしているためだ。
実証試験の期間は1年半。予算は130万ドル(約1億3000万円)。BATの出力は30キロワット、将来的には100キロワット超を目指す。地上とBATはロープのようもので繋ぎ、それを介して電力を地上に送る。
アルタエロスによると、BATを上空600メートルにまで揚げると、地上付近と比べて2~3倍の電力を生むという。
BATがとりわけ強みを発揮するのは、遠隔地や被災地、軍施設などでの利用だ。アルタエロスは商業化を視野に、販売や製造にかかわるパートナーを募っている