電工は自社開発のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA)を用いてデマンドレスポンス(DR)発令から15分以内に、約束したネガワット電力を送出することに成功した。
sEMSAとは、同社が開発したエネルギーマネジメントシステム。特長としては、多様な電力設備に対応可能なアーキテクチャに準拠しており、DRにも瞬時に対応すること。他にも再生可能エネルギーを含む発電機群をエネルギーコスト最小化し、総合的に最適運用でき、契約電力等の各種シミュレーション機能を利用できる。
今回の実証実験は、同社横浜製作所に設置されている国内最大級のレドックスフロー(RF)電池3台(計5MWh)、ガス発電機(CGS)6台(計4MW)、集光型太陽電池(CPV)15台(計100kW)および、これらの発電機群を管理するsEMSAを用いて実施された。
sEMSAは電力需給調整会社(アグリゲータ)であるエナノックより発令されたDR信号に10秒以内に応答し、15分以内に約束した電力量(640kW×1時間)を全自動にて送出する事で、DR時間帯は系統からの受電を削減した。DR発令には、世界標準規格であるOpenADR2.0プロトコルを利用している。
なお、この実証プログラムは、経済産業省が支援するネガワット取引のための実証事業「次世代エネルギー・社会システム実証事業」のもと、電力会社とコンソーシアムを組むアグリゲータの一社であるエナノック・ジャパンと共同で実施したもの。
ネガワット取引とは、節電や自家発電により減らした電力需要量を、系統側の発電とみなして買取る取引のこと。また、運転予備力とは、系統に供給力不足を生じた場合に、短時間内(10分程度以内)に不足分を補うための予備力で、部分負荷運転中の発電機余力もこれに該当する。